• 長野県議会で発言している高見沢敏光

  • 定例会・代表質問・一般質問 - 長野県議会議員 高見沢敏光

  • 長野県議会で高見沢敏光がおこなった定例会・代表質問・一般質問の内容を掲載。


平成19年10月定例会・代表質問・一般質問

1:災害時に応急措置に協力した業者の対応について

 先の台風9号による被害は佐久地方を中心に被害が集中いたしました。被害に見舞われましたご関係者に、心からお見舞い申し上げます。

 佐久市及び北佐久郡地域は河川・道路を始め農作物など多くの被害がありましたが、幸い南佐久郡は被害が比較的軽少でした。特に佐久穂町では、群馬県堺に古谷ダムと余地ダムがあり、河川に流れ込む流量の調整が図られ、下流河川の洪水出水ピークを遅らせ、千曲川下流の溢水など被害を最小限に食い止めたことが出来たのであります。改めてダムのありがたさを思い知らされたところであります。創志会でも急遽佐久市滑津川の災害箇所の現地調査をしました。災害時の現況を目の当たりにし、災害の恐ろしさを改めて実感したところであります。その緊急時に従業員や重機を集結し、濁流で危険の中生命を賭して応急措置をした地元の建設業者が、透明性の確保と言えども、その後の災害復旧工事への参加が約束されない現在の入札制度に、やはり疑問を感じました。

 今後、災害時に応急措置に協力した業者の災害評価点をより重視し、総合評価落札方式で反映させ、災害時に応急対応した業者が報われるよう配慮するべきと思うが、土木部長にお考えをお伺いいたします。

と同時に、一日も早く災害復旧に力を注いでいただき、地域住民の生活・産業・観光等が正常に戻れますよう、関係部局の一層のご配慮を頂きますことを強く要望させていただきます。

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2:野生鳥獣による農林業等の被害対策について

2−1
 野生鳥獣による農作物の被害対策については、県でも対策に向けて、鋭意ご努力を頂いておりますことは理解しているところであります。しかし、その努力がされているにも関わらず、野生鳥獣による農作物等の被害は増すばかりの状況であります。夏の初めに南佐久の野菜専業農家から電話が入りました。「県議さん、私の友人が出荷間際となったレタスの畑が、シカによって荒らされてしまいました。せっかく後継者も決まり意欲を燃やしていた矢先、これでは後継者も農業をあきらめ離れてしまう可能性もあります。県では何か対策はないのですか。」と言った内容でした。
すぐ現地に行ってみましたが、気の毒と言うしか言葉が出ない情況でした。(その農家は自分の畑の周りに、一生懸命少しばかり残ったレタス畑を保護するために、ネットを張っていました。私ども素人が見てもこのようなネットを張り巡らせれば、農機具の搬入・扱いはどうするだろうか。仮にこの畑は被害が防げても隣の畑はどうなるのだろうか。と次々と課題が見えてきました。)

 これら野生鳥獣の被害額は全国的に見ても、05年には187億円、そのうち118億円が獣類で、その9割がイノシシ・シカ・サルによるもので、被害全体の 54%となっています。長野県においても野生鳥獣による農林業の被害総額は昨年度で16億5800万円と前年に比べ29%も増加しています。

 これらの対策には
(1)捕獲等による個体数や生息密度、群れの構造などを適切に管理する「個体群管理」。
(2)野生鳥獣の生息地を適切に整備したり、生息地と農地との間に緩衝地帯を設ける「生息地管理」。
(3)防護柵による侵入防止、農作物残渣の撤去、追い払い、などの「被害防除」。
以上の3つを適切に組み合わせて行うことが、必要であるといわれています。県は本年度の対策費に約1億2千万円を、個体数の調整、本来生息する地域の環境保全、農作物への被害防止等に当てています。本定例会においても緩衝帯整備等に1,355万9千円の補正を組まれておりますが、野生鳥獣対策は後追いの対策だけでは改善できません。

 被害対策を講じる上で大切なことは、野生鳥獣の個体数を出来る限り正確につかむことが必要であると考えます。県は本当に個体の生息実数を地域別に把握されておられるのでしょうか。この際、抜本的な対策を講じなければならないと考えます。その為に冬季シーズン初めに、初雪の頃上から確認することが一番有効であるといわれております。

  そこで、長野県と隣接する県と協力し、同じ期日を設定し同時に空から確認調査することが、鳥獣の個体数を正確につかむために有効と考えますが、県ではより正確な調査をするために、その実施に向けてお考えはあるか林務部長にお伺いいたします。

  県は先ほど述べた3つの対策のうち、何に重点をおいていかれるのか。増えるシカ等の捕獲など「個体郡管理」を積極的に推進するべきと思うが、林務部長にお伺いいたします。

2−2
 イノシシ・シカなど捕獲しても有効活用が課題であります。新設される部局横断の対策本部では、ジビエ料理への利用、捕獲から商品としての流通を含めた処分、活用方法の確立など実効性のある方策を検討されるとしております。確かにイノシシについてはその需要は大いに見込めますが、シカは今一と聞いています。その上急峻な山奥での捕獲等において、搬出は非常に困難であると考えざるを得ません。しかも、ジビエに利用する側にしてみても安定した供給先がなければ安心して営みは出来ません。更に現在ある食肉処理場には、「と畜場法」上持ち込むことが出来ませんし、大半はハンターが山で解体している現況で、それらがジビエ向けに無秩序に流通されるとなると、食肉衛生管理上問題が残ります。県では信州ジビエ衛生管理ガイドライン・マニュアルを策定されましたが、改めてお尋ねいたします。

 県では総合獣肉センターの設置をし、捕獲獣の処理加工及び、市場を設置するなど、安定供給できるシステムづくりが必要であると考えます。県はそのお考えがあるか。

 また、厳しい県財政環境の中で、県自らそれらを設置できない場合は、民間の食肉処理業等に基づく設置希望者に支援策を講じ、処理流通を円滑にさせるための具体的施策はあるのか。また狩猟者の搬出等にかかる労力に対する支援は出来るのか。林務部長の考えをお伺いいたします。

2−3
 野生鳥獣による農業被害だけでも、18年度で9億5,600万円となっております。(被害にあった農作物が販売され、全て課税対象となったと仮定した場合、見込まれる住民税の県分は約1,000万円、住民税市町村分が約1,500万円、所得税まで含めると3,600万円が見込まれます。
これはあくまでも被害額=販売額として試算した結果でありますが、試算しにくい林業部門や、順調に生産でき出荷が出来た場合の農家等の消費など、経済効果を考えると大きな損失となります。)何としても農業の生産意欲をなくし農業離れや、後継者に影響を及ぼすことは避けなければなりません。また林業被害対策など、来年度の予算編成に向けて、しっかり部局横断で十分な議論をされ、抜本的な対策の上、納得できる事業予算を提案されることを強く期待いたします。

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3:仮称森林税の使途について

3−1
 豊かな森林は、山地災害の防止や水源の涵養、地球温暖化防止など多様な機能を有し、「みどりの社会資本」として、全ての県民がその恩恵を享受していますと、森林づくりのための新たな財源確保の方策検討案の目的として掲げられています。戦後植林した木が40年〜50年となり、間伐の必要な森林が多くなっています。今、間伐など集中的に実施しなければ、健全な姿で次の世代に引き継いでいくことは出来ません。健全な森林づくり等を推進していくために、森林税の導入は決して否定するものではありません。しかし現在の議論の過程で、その使途について明確な判断が示されていません。そこで今回は収納を予定される税の使途等について質問をいたします。

 質問の背景に、森林税負担者の大多数は「みどりの社会資本」としての享受は受けているものの自分の森林を保有していない。経済林業としての経営は、間伐費用が16,000円/m3に対し、山渡しの売買価格は9,000円/m3という状況で、経営上成り立つ環境ではない。また、十分な技能職員の確保が出来ていない。これらの現況を踏まえて質問いたします。

 まず最初に、基本的に森林税導入がされても、従前の森林関連予算約47億円は継続していくべきと考えるが、県の考え方を林務部長にお伺いいたします。

 仮に従前の予算を確保し、収納した新税を上乗せしたとしても、間伐を主な事業とされているが、間伐の必要な実施箇所の森林所有者が分からない等、いわゆる受け手がいない現状で、どのような手段・手法で受け手を確保していかれるのか。

 まず基本的な問題について林務部長にお伺いいたします。

3−2
 基本的な問題についてお尋ねをいたしました。(従前の森林関連予算は減らさずに、導入予定の新税分は上乗せするとのことです。)

 そうであるならば、受け手が確保できた場合も踏まえ、まず不足している技能職員の育成にもっと力を注ぐべきであると考えるが、不足している技能職員の育成事業をどのようにお考えになっておられるか。

 更に、これからの間伐など森林整備の箇所は奥山が多くなり、作業道の建設や間伐材等の搬出が困難な箇所となっています。作業道等の開設はどうするのか。

 先ほど質問の背景の中で、森林税負担者の現状を指摘いたしましたが、自分の森林を持っていない多くの税負担者のために、里山美林の整備や水環境の整備を行い、美しい森林づくりを掲げ、「景観」によって還元してやることも必要ではないでしょうか。最終的には経済林業や地球温暖化防止等を目指すべきでありましょうが、直接目で楽しんでいただくことも大切であると思うからであります。それらは鳥獣被害対策の緩衝帯整備にも結びつくものと考えます。

 そこで間伐整備事業は、国の補助事業を有効活用のうえ、原則既存の事業予算で賄いながら、私は「里山美林整備事業」を新税対象事業の柱として実施するべきと考えますが、林務部長及び村井知事のご所見をお伺いいたします。

 また5年間と言う時限立法でそれらの役目を果たすことができるのか。林務部長にお伺いたします。

 更に、この4月から国の税制度が改正され、税の収納形式が変わりました。税負担者である県民の増税感意識がある状況の中で、新税開始の時期については、国の税制度改正の理解がある程度県民に浸透してからが望ましいと思うが、開始の時期について知事のご所見をお伺いいたします。

3−3
  レンタル用高性能機械の活用は、ご答弁頂いたように機動的な運用が出来ていない現況です。更に遠距離搬送などの課題もあります。従って、4ブロックごとの整備拠点づくりの検討をすべきことを、再度ご提案いたしておきます。

 来年度の予算編成を前に、鳥獣被害対策も仮称森林税の使途方法も喫緊に結論を明確にし、今回は時間の都合で間伐材の利用方法等については触れませんでしたが、それらを踏まえた事業も早急に推進するための検討をするべきと考えます。その為に中期総合計画に県の考え方を明確に示し、県民が納得した新税の使途や安心して農林業が営めるようにするべきと、強くご指摘申し上げます。 更に県民への丁寧な説明を怠りのなきよう、重ねて申し上げ一般質問を終わります。

[2007.10.02 更新]

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