

長野県議会で高見沢敏光がおこなった定例会・代表質問・一般質問の内容を掲載。
平成19年12月定例会・一般質問
1:森林づくり県民税(仮称)について
【1−1】
時代の変化と共に森林整備の遅れは、県民が等しく山の荒廃が進んでいることを肌で感じ、受け止めているところであります。9月定例会においても、今回提案された「森林づくり県民税」について、その使途の内容や新税導入の時期等について質問をいたしましたが、いわゆる森林税を導入する目的や使途について、県が広く県民の理解と協力を得ながら実施していこうとする中で、何点か県民の皆さんへの説明をと言う意味を含めて、再度質問をしてまいります。出来る限り県民の皆さんが理解でき得るように、分かりやすくご答弁をいただきたきますことを、冒頭に臨んでおきます。通告の中で何項目かは前段の議員の質問と重複してる点があります。特に追加して説明される部分がありましたら、ご答弁をいただければと思います。
森林税の導入は、導入の効果を明確にして進めることには、異論を申し上げるところではありません。県ではその為にパブリックコメントや県民集会など精力的に実施されてきました。しかし、知事も県民の関心が高まってきたと、議員の質問にお応えになられていましたが、県民へ理解を求めるための県民集会などの説明会への参加者は、残念ながら林業関係者や行政関係者が多数を占めており、一般県民の参加が少なく、必ずしも理解がされているとは思えないところが見えます。そこで、多くの県民が疑問を抱いている単純と思えるが、県民の貴重な声でもある、素朴な疑問点についてお尋ねいたします。
① 徴収される森林税が年単位なのか、月単位なのか。
② こどもから大人まで、家族全員が課税対象となるのか。いわゆる5人家族では2500円となるのか。
③ 山林所有者や林業事業者に対する補助事業のためなのか、森林整備事業の促進なのか。
④ 具体的な事業内容や成果として求める、森林への適切な取組みとは何か。
新税導入と言うことだけに、こうした声が聞かれることは、一般県民への説明不足と感じるが、どのように受け止めておられるのか、林務部長にお伺いいたします。
また、山間地域においては集落境の山裾に、農振地域でありながら遊休農地が森林化し、未整備のまま放置されている状況が見受けられます。先日、野生鳥獣被害防除対策・現地見学会でも明らかにされましたが、こうした森林は暗く、人の出入りを拒むかのような状況である上に、野生鳥獣の集落への出没を容易とし、更に災害の発生も懸念されているところであります。
⑤ このような遊休農地が森林化した土地の地目は農地となっているものの、現況は森林となっている地域については、果たして森林整備事業の対象とすることが出来るのか。
⑥ もし対象とするならば、森林税の導入にあたり、その補助の方針はどのようになるのか。
⑦ また、このような里山の整備に新税をと9月定例会においても提案いたしましたが、里山のエリアについて、集落から地続きの見える範囲の山と理解していたが、現在様々な議論がされているところでもあり,この際区域を明らかにしていただきたいと思いましたが、昨日来、何人かの議員の質問にお応えになられておりますので、その答弁をもって理解させていただきまが、そのほかの質問につきましては、林務部長にお伺いいたします。
【1−2】
今回の森林税の提案により県民が森林に対する意識が向上してきたことは、大きな啓蒙の一つとして評価いたしますが、更に理解を求めていく説明手段として、
① 現在の森林整備に係る予算は約47億円で、県民一人当たりの税負担はいくらとなるのか。47億円の予算額では適切な間伐期を迎え、必要とされている間伐が遅れ、森林整備が更に荒廃してしまう。その為に県民全体が享受を受けられると共に、森林整備を緊急に進めるためとして、納税対象者あたり500円分をお願いした計画徴収税額は、県民一人当たりいくらとなります。それを上乗せして頂くことにより、このような成果が得られます。と言う説明は出来ないのか。
② また、なぜ個人所有の森林に税金を取ってまで整備しなければならないのか。
③ 森林整備に対する国・県・市町村・山林所有者の、現在の負担割合はどうなっているのか。また、森林税導入後の負担割合はどうなるのか。
④ その上、木材が売れたときには個人収入になるのではないのか。
と言う素朴な疑問に対しても説明が欠けていると思われるが、林務部長に、この機会を活用して広く県民の皆さんに分かりやすくご答弁をいただきたい。
更に、9月定例会においてもご指摘いたしましたが、本年6月から住民税の変更により県民の増税感や、加えて先ごろのガソリン・灯油などの大幅な値上げが続き、食料品をはじめ生活用品の値上げが続くなどのほか、ここへ来て中小企業や小規模事業者の倒産など、現在県民生活に不安や厳しさが増していることはご承知の通りであります。また、市町村税や県民税の徴収率順位において、本県は全国的に見ても下降線をたどっているとの状況です。こうした状況を想定していたわけではありませんが、県民生活を基本に考え、柔軟性を持って対処するのも行政の責任であろうかと思います。これらの状況や県民生活の実態を見て実施時期に対して、再検討を含めてどのように考えておられるのか再度お伺いいたします。
⑤ 実施期間が5年となっていますが、平成20年度から実施しなければならない緊急性は何か。また、5年間で特に緊急とされる必要な間伐が完了するのか。
⑥ 低所得者への配慮はどうのように考えておられるのか。
⑦ 徴税に当たって市町村の手を煩わせることになるが、特に徴収率に苦労されている市町村の理解は得られているのか。
⑧ 県民の皆さんに、理解していただくために、県も積極的に周知等されていると答弁がされておりました。今後、具体的にどのようなことを計画されておられるのか、2~3具体例を挙げて説明をいただきたい。
以上については林務部長にお伺いたします。
⑨ 森林の恩恵を受けている下流側から負担を求めるべきとの声には、知事提案説明や昨日の議員の質問でご答弁されたことを、しっかり取り組まれますことを強く要望させていただきます。併せまして、該当する県の知事に知事会議の折、これらの趣旨について話をされたことはあるか。話をされるお考えがあるか。知事にお伺いたします。また、知事が県民に森林税について一口で説明されるとすれば、どのような言葉で理解を求められるのか、知事のご所見をお伺いします。
【1−3】
私が本日質問した内容は、県民の皆さんが私たちに投げかけた素朴な疑問点ばかりであります。概ね理解できるご答弁であったかと思いますが、森林整備の緊急性と森林税導入時期については、いささか危惧されるところでもあります。
森林整備の必要性が理解できるだけに、今後、あらゆる最善の説明を重ね、対象とされている110万人の県民の皆さんに、又、非納税者となる県民の皆さんに対しても、理解と合意を得られるように、更なる努力をされていくことを強く指摘いたしておきます。
2:歯の健康予防について
【2−1】
長野県では、長野にくらす全ての人が、元気はつらつとして、生きがいを持って21世紀を送るために、よりグレードの高い「健康長寿県ながの」が実現することを目指して、「健康グレードアップながの21」を、平成22年度を目標年度として策定されました。健康長寿県を名実共に誇れる本県として、県民が主体的に取り組む健康づくり運動を推進していくには、生活習慣を改善し、健康づくりに取り組もうとする個人を、社会全体として支援していく環境を整備することが不可欠です。とこれからの健康づくり運動の柱として掲げております。その第4章、健康づくりの目標と施策の推進の項には、栄養・食生活からガン・糖尿病まで9項目にわたり、きめ細かな目標と数値を上げて示されています。その中の「歯の健康」では、歯及び口腔の健康は、単に食物を咀嚼すると言う点からだけでなく、全身の健康に影響を与えるものであり、食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るためにも重要である、と掲げられてあります。まさに、歯は健康のバロメーターでもあり健康を維持するための基礎でもあります。県も80歳で自分の歯を20本以上有する人を増加させる、いわゆる「8020運動」も全県的に取り組まれているところでもあります。今回は歯の健康・予防について、県及び県教育委員会の取り組み方についていくつかお尋ねいたします。
むし歯をなくすにはフッ化物洗口を保育所・幼稚園児から開始し、中学校卒業まで継続実施することが、最も効果があるとされています。国でも昭和60年3月の第百二国会で議員の質問に対し、「WHO・日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会においては、公衆衛生学的手法としては、フッ化物の応用が最も効果的な方法であるとされており、厚生省としても歯磨き、甘味の制限と併せてフッ化物の応用を行うことが、最適のむし歯予防法と考えている。」と答弁されています。本県においても佐久市や中野市などフッ化物洗口を実施し、立派に成果を上げている地域もあります。
① 県ではこのような佐久市や中野市等において、20年余にわたり実施し、確実な成果の出ている状況を、どのように評価されているのか。また、その評価に基づきどのようなアクションをされたのか。
② フッ化物洗口を保育所や学校などで集団的に実施することについて、法的な解釈の見解はどうお考えになっておられるか。
③ 「健康グレードアップ21」に、3歳フッ化物歯面塗布を受けたことのある者の割合は不明であるが、その有効性が報告されているので、実態の把握が必要。と実態調査実施を示されているが、実態調査の結果はどうなっているのか。
以上、衛生部長にお伺いいたします。
【2−2】
本年6月3日のA新聞社の報道によると、「新潟、フッソでむし歯最少県」の見出しで、「12歳児のむし歯が7年連続で全国一少ない新潟県で、一人当たりの平均本数が0.99本とついに1本をきった。悲願達成の背景には、県や歯科医師が続けてきた予防対策がある。」と紹介されています。他県のニュースと言いながらも、このような快挙を素直に受け止め、本県の学校現場における公衆衛生上の予防措置を見直すことが必要ではないでしょうか。
先ほども触れました国会の答弁集を見ても、「地域住民のむし歯保有率の低下に、成功した事例について調査したことがあるか。」との議員の問いに対し、「長野県佐久市、新潟県東頚城郡牧村、岐阜県、福岡県等各地域での例があるが、近年、特にフッ素化物水溶液による洗口を、積極的に利用した事例が多く報告されている。」と答弁されています。国でも本県の実施例を23年前に評価されているのです。もっと本県での実例に対し、歯の健康予防を進める県として、しっかり把握され一貫した事業を進めるべきではなかったのかと考えます。学校現場で心配されている問題について、国会では「学校の養護教員がフッ素ナトリウムを、薬剤師・医師・歯科医師から計量してもらい、学校においてポリタンク等に調合する行為は、違法的行為か」の問いに対しても、「学校の養護教員がフッ素ナトリウムを含有する医薬品を、その使用方法に従い溶解、希釈する行為は、薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない」と合法的かつ安全であることを明らかにされています。佐久市はまさにその通り歯科医師が調合したものを、養護教員が希釈して児童生徒にうがいをさせて、素晴らしい成果をあげています。8020運動の根幹は乳歯の話でなく、永久歯の問題であります。保育園児や幼稚園児から中学生までの間、継続してフッ素化物洗口をすればむし歯になりにくいと言う、実践結果を尊重して県の歯科衛生予防を推進すれば、8020運動の成果は上がるばかりでなく、県民の健康を更にアップできるものとなります。自信を持って推進していくべきと考えます。
① この際、県教育委員会としても成果の上がっている地域の実例をつぶさに調査をされ、 むし歯に悩まされている児童生徒から、むし歯ゼロに向けて指導啓発を強化するべきと思うが、この改善のため学校現場に対して、フッ化物洗口を含む保健管理対策について、取組みのお考えがあるか。教育長の見解をお尋ねいたします。
② 県としても、「保健医療計画」の見直しや「グレードアップながの21」も、20年度 で全面改正するとのことでありますが、厚生労働省が示した「フッ化物洗口ガイドライン」にそって、もっと積極的に普及に向けて取り組むべきと考えるが、衛生部長にお尋ねいたします。
③ これらの取組みが遅れたことは、取り組むセクションに歯科に対する専門的知識を持 った職員、あるいは歯科医師が少なかったことが要因となってはいないか。この場合こそ特定任期付職員を活用し、専門職員の知識と技量により、一定の基盤を作らせるべきと思うが、村井知事にご見解をお伺いします。更に、長野県が誇りとする、健康長寿県と医療費最少県を、更に推進していくためにも、健康の基礎となる歯の健康予防のために、フッ化物洗口を県として積極的に取り組むべきと考えるが、知事のご所見をお伺いいたします。
【2−3】
今回は正直、県はもっとフッ化物洗口の理解があり、推進されていたと思いましたが、理解はある程度していたにもかかわらず、取組みがされていなかったことは意外でありました。現在、いくつかの計画・戦略プランが作成され今定例会に提案されている「中期総合計画」に集約されています。健康医療計画等も含めそれらの計画が県民のために計画倒れとならず、実行に向けて着実に推進されていく仕組みづくりと、的確に計画が推進されていくために、庁内にチェック機関を強化させるべきと考えます。
いずれにしましても、効果的なフッ化物洗口法の普及を図ることは、8020運動達成の可能性を飛躍的に高め、国民の口腔保健の向上に大きく寄与できる。と厚生労働省も認識されている通り、フッ化物洗口法は、県下においても20年余も継続実施して、成果が上がっている実施校の報告により、う蝕予防対策(むし歯予防対策)として最も大きな効果をもたらすことが示されているだけに、長野県が誇りとする、健康長寿県と医療費最少県を、更に進めていくためにも、明日から衛生部が中心となり、県教育委員会と連携をとり積極的に取り組まれますことを強く要請いたします。今回の質問がフッ化物洗口による、学校現場の保健管理対策の改善のため、県及び県教育委員会が認識と理解を一層深められ、推進の契機となることを期待し、一般質問を終わります。
* フッ化物洗口 学校などで、洗口は週一回行います。洗口方法は、コップに入ったフッ素洗口液を口に含み、歯全体にいきわたるように、1分間ブクブクうがいをし吐き出します。フッ素は、歯の質を強くし、出来始めのむし歯を修復したり、むし歯の菌の働きを弱めるなどの作用があり、むし歯予防に役立ちます。

