

長野県議会で高見沢敏光がおこなった定例会・代表質問・一般質問の内容を掲載。
平成22年2月定例会・代表質問
- 財政と予算編成等について
- 組織再編に伴う警察行政について
- 農政林務行政について
- 社会資本整備について
- 商工行政について
- 観光及び環境行政について
- 健康長寿県No.1を維持する衛生行政について
- 高齢化時代の福祉行政について
- 少子化時代を迎えた、長野県教育行政について
1:財政と予算編成等について
創志会を代表して、順次、質問を行います。
22日 県立駒ヶ根病院本館等建設工事現場で起きた、大型クレーン横転事故は、安全防止策を強化していた中だけに大変遺憾なことであります。
亡くなられた大西さんに、心からご冥福をお祈りいたします。
また負傷された3人の方に対しましてもお見舞い申し上げます。
県はこの事故を最優先重点課題として取り上げ、県を上げ事故調査究明に努力をされ、県病院事業局より工事を委託されている発注者である建設部において、二度と同様な事故をおこさない為の事故対策指針を含め、速やかに県議会に報告することを強く求め、代表質問に入ります。
昨年に引き続き1月に臨時県議会を開会し、雇用の安定確保と社会資本の整備による県内経済の下支えを図るとして、積極的に「経済対策関連予算」を組まれたこと、また、一昨年のリーマン・ショック以来、依然として景気低迷下で産業経済界や県民が、苦しい企業活動や県民の生活を強いられている環境の中において、第一期村井県政の最後の予算を骨格予算でなく通年予算を組まれ、景気対策に重点を置かれたことは、村井知事が長野県の景気回復を何とか図りたいとの、気概が伝わってきます。
最初に財政と予算編成等についてお尋ねいたします。
県は、様々な変化や課題に的確に対応し、新しい次代に相応しい長野県の、方向性や方策を明らかにするためとして「中期総合計画」を、24年度を目標年度とする5カ年間を対象として策定されました。
中期総合計画では、長野県を取り巻く時代の潮流として「少子高齢化・人口減少の加速」を課題の一つとして掲げ、経済成長力や地域活力の低下、医療・福祉、教育など様々な分野への影響が懸念されるとして、少子化に関連する多くの施策が計画の中に織り込まれ展開されています。
そこで、本日は、一つに少子高齢化のなかにおいての県の取組み、二つに中期総合計画の目標達成に向けての取組み、そして、国の政権交代による県の影響と対処等を、中心にお尋ねを致します。
【1−1】
本年度は第1期村井県政においての中期総合計画が、3年目を迎えることとなりますが、私は、村井知事は種を蒔かれ、芽が出た苗を、定植・補植の作業に入る時期と考えますが、昨年初めて政策評価を実施された中期総合計画の、反省点と今後に向けて決意の程を、村井知事にお伺いいたします。
【1−2】
100年に一度と言われる不況経済に加えて、国では政権が交代し民主党政権において、前政権の施策見直しが行われていますが、計画策定時には想定していなかったこのような状況下で、中期総合計画を進めるうえで、及ぼす影響はないか。また、取組み目標について一部修正すべきものがあると考えられるが、評価とともに検討はされたのか、企画部長にお伺いいたします。
【1−3】
特に新政権が実施しようとしている、「子ども手当て」をはじめとした、新規施策等について、どのように把握し予算編成の中で、進めてこられたのか。
【1−4】
厳しい財政状況を踏まえて、財源確保は重要であると考えます。県税未収金の減少、県有財産の有効活用など、歳入確保についての取り組みはどのように進めていかれるのか。また、新年度においてどのくらいの目標を設定して取り組んでいこうとされているのか。
【1−5】
県債の通常債の残高は、平成12年度をピークに4千億円ほど減少してきているが、一方で、基金も減少しています。今回の当初予算編成においても取り崩しを余儀なくされている状態ですが、今後の予算編成に向けての財政的見通しを含め、財政運営の考え方について、以上3点は総務部長にお伺いいたします。
少子化で直接影響を受け深刻な課題は、一つに教育であると考えます。高校再編問題等については後ほど質問をする予定ですが、大学ではどうでしょうか。
日本の大学の変遷を見れば、昭和20年後半には戦後に専門学校から大学に昇格したものの、施設や教授陣が揃わないため、特色ある学部や学科をもった大学が少なく、学生が集まらず、新制私立大学が経営難から倒産し廃校、あるいは他の大学に吸収合併となりました。
この時期を、第1期の混乱期倒産と呼ばれています。現在では急激な少子化の進展と、国家及び自治体の財政危機を迎えての、第2期構造的倒産といわれています。中でも短大は、国・公・私を問わず減少しており、最盛時63あった公立短大は、平成18年には40、平成21年には21に激減しています。
わが国の公立短期大学で最も長い80年の歴史を刻み、短大志願者減少の傾向が著しいなか、志願者が前年度より増えたとする「長野県短期大学」であっても、少子化が進む中で将来に不安を抱えているものと考えます。県では県短期大学の将来構想に関する検討委員会を設置し、有識者による県短期大学の今後に向けての検討が始まり、先週の19日に第1回の会議が開催されました。
【1−6】
長野県短期大学の、これまでの実績並びに現状をどうのように評価されているのか。また、県短期大学の目指す方向は何か。知事にお伺いいたします。
2:組織再編に伴う警察行政について
長野県警察の組織再編整備計画に基づき、本年4月1日から警察署の再編整備等が実施となります。住民に対する説明の過程で、不安等の払拭はされていると思われますが、県民の皆さんは新しい組織による安心・安全な地域の実現に対する期待と、警察署統合地域においては若干の不安を感じているものと思われます。そこで、
【2−1】
改めて再編後による効果と、新体制を迎えるにあたっての課題の対処等について、決意の程を本部長にお伺いいたします。
また、再編された警察署はそれぞれ大型署となります。例えば佐久警察署においては3県、7警察署が県境に隣接することとなるなど、県内の警察署のほとんどは他県の複数の警察署と隣接されることとなります。県警察は地域の犯罪抑止力を高めるため、事件・事故に、迅速・的確な対応が可能な警察署を確立すると説明されていました。
【2−2】
住民の皆さんは、その機動力・機能が発揮できるものと期待していますが、県境対策として、どのような訓練を実施してこられたか。また、今後、県境について他県の警察署との連携などの対応は、どのように対処していくお考えか、本部長にお伺いいたします。
本定例会初日の本部長の提案説明において触れておられましたが、長野県内の刑法犯認知件数は、平成13年をピークに平成14年から連続して減少してきています。一方検挙率は平成14年から連続して上昇しており、更に、交通事故の発生件数、負傷者数、死者数は、平成17年以降連続して減少しています。一方で少年犯罪は増加しており、特に少年の凶悪犯罪が増えている状況であります。このように少年犯罪を除いて、県下の治安は数字の上からも向上していますが、住民は治安が良いと感じているかを表す「体感治安」は、決して良くなっていません。
その原因と対策について、県警本部長は「平成22年長野県警察重点推進課題と対策」を定め推進するとして、5つの課題の説明をされましたが、この対策を実行していくためには、警察官一人ひとりに対し、一層の質的能力が求められます。
【2−3】
そこで捜査活動など警察官の質を高めるために、具体的にどのような点に留意されていかれるのか、本部長にお伺いいたします。
県内農業の生産活動に欠かすことができないことは、中国人をはじめ外国人の研修生の力を借りなければならないことであります。また、製造業においても景気低迷で減少したとはいえ、依然として外国人労働者が多く雇用されています。外国人の全てが要注意者であるとするものではありませんが、言葉のうえで十分な意思を伝えられない日常会話によって、犯罪に結びつくことも見られます。
【2−4】
そのための言葉の分かる警察官の配置は十分か。また、犯罪に結びつく前に十分な外国人向けの説明等が重要と思います。過去に対応した実績があるのか。また、今後どのように対処されていくお考えか、本部長にお伺いいたします。
3:農政林務行政について
日本の農業及び林業を取り巻く環境も、少子高齢化の波をまともに受けて、その基盤が揺らぎかねない状況であります。農業林業問題は国の根幹の政策として取り組むべき課題と認識しています。
荒廃する農地、担い手となる後継者、新規就農者など、原点にたどれば「儲かる農業」「苦労はあっても人並みの所得が欲しい」、この願いを、この課題を解決しなければ、少子高齢化の中において日本の農業は、一層厳しさを増すばかりとなります。現政権の中心となっている個別所得補償の制度そのものは承知しているつもりでありますが、中山間地の多い本県においてこの制度の不利益は否めません。また、本県では米以外に野菜等の園芸作物の作付け面積も多く、本県の農業算出額の3分の2を占めています。
米中心の個別所得補償では、野菜や花きなどの園芸作物への転作助成金の水準が引き下げられており、県や農家が進めてきた園芸作物分野に影響が出かねません。
また、中山間地の多い本県の農業は、先人たちの智恵と努力により、条件の悪い地を開拓や土地改良を積み重ね、現在の園芸、米、果物等の産地をつくりあげ、日本の台所の食材を賄っている一大産地としてきた歴史があります。この土地改良こそ、零細な本県農業が機械化や効率化が図られたことにより、農家所得の向上や、一定の後継者も育て農地・農村を守ることに、つながってきた要因のひとつでもあります。
本県では、土地改良はおおむね進んできたとは言え、今その土地改良した農地の多くの道路・水路等は、改修改善等の整備が必要の時期に来ております。
新政権では、これらの農業の現状と将来を理解してか、しないか、単なる政治的判断と言うことで土地改良予算を半減とし、次代を担おうとしていた若い農業者を落胆させ、将来の農業経営に不安を抱かせたことは、否めない事実かと考えます。国の政権がどの政党に委ねられようが、本県の農業・日本の農業の将来を考えたとき、国の農業政策は一貫性がなければならないものと考えます。これら施設改善等の支援がなくなれば、農家の負担増となるばかりか、生産性は減少し、生産意欲もなくなります。更に、日本の食糧を賄うことができなくなるばかりか、田・畑や山林の放置が進み、山村の原風景も失われ、その結果人口の流出が進み、いわゆる「限界集落」となっていかざるを得ません。今こそ農村・山村への支援をし、中山間地域の整備とともに、農地・農村を守らなければならないときと考えます。
【3−1】
このような国の方向を踏まえた上で、少子高齢化や厳しい農業環境の現実の中で、日本の台所の食材を賄っている一大産地としての長野県の農業を、どのように位置づけ、どのように導かれていかられるのか。知事のご所見をお伺いいたします。
【3−2】
消費者の低価格志向などによる農産物価格の低迷が続く中、「儲かる農業」をめざすためには、これからは、特に売り先を見据えた生産と販売が重要と考えるが、農政部長のお考えをお伺いいたします。
国で進める個別所得補償などの施策も必要でしょうが、所得だけの補助制度は専業農家の生産意欲を減退させるばかりです。そのためには、農家が農業所得で生活できる「儲かる農業づくり」にもっと目を向けるべきです。それには農地・農村の整備を常に継続していくことが重要であると考えます。現在の一大産地になるまで、畑総整備や保冷施設など近代化施設を設置し、農家自身が投資してきている過去の努力あってこそ、一定の後継者が定住してきているのです。
兼業農家は他の職等により危険分散をしていますが、専業農家は一次産業の中で、品目を増やすなどして自らの努力で危険分散しています。この専業農家をしっかり支えないと自給率アップには繋がらないばかりか、日本の農業は間違いなく衰退の一途をたどっていかざるを得ないと考えます。今のところ、専業農家を支援する国の具体的な制度は見えませんが、今回、新たに「農山漁村地域整備交付金」が創設され、自治体がそれぞれのニーズにあった計画を策定し、各種公共事業も選択でき、自治体の自由な創意工夫によるソフト事業も実現可能で、自由度が高く、使い勝手の良い交付金であるとお聞きしています。
この交付金が農業農村整備にどれだけ配分されるか不透明な部分はありますが、長野県農業と本県の地域特性を生かされた産地の維持のため、施設整備等の支援にも行政の目を向けるべきと考えます。
【3−3】
自給率向上と一大産地の農業を守るために、専業農家と兼業農家との区分けを明確にし、専業農家に比重を置く支援制度を構築するべきと考えるが、農政部長のお考えをお伺いいたします。
【3−4】
食糧の安定供給のために、全国の消費者から頼られている、本県の産地の責任において、農道・水路などの農業用施設や、保冷施設など老朽化してきている農業用施設等の更新・整備に対しても、「農山漁村 地域整備交付金」を活用すべきと考えるが、知事のご所見をお伺いいたします。
また、食糧の安定供給の堅持のために、これらの農業施設等に対する補助制度の継続及び新設を、前段に農政部長に質問した項目と合わせて、国に強く求めるべきと考えるが、併せて知事のご所見をお伺いいたします。
豊かな農山村の原風景は、田や畑の整備によるものだけではありません。「緑の社会資本」である森林を健全な姿で、次の世代に引き継いでいく作業があってこそ、山村の荒廃を防ぎ、下流地域に住む住民の都市水害を守り、「限界集落」へのストップをかけることに繋がります。そのためにも森林が持つ多面的機能を維持することとして、県では基盤整備や鳥獣被害対策など、様々な施策を展開されています。
心配していた「森林整備加速化・林業再生基金」の凍結等もなく、それらの基金も活用しながら施策展開が可能となりましたが、県民のご理解をいただく中で3年目となる「長野県森林づくり県民税」の有効で効果的な活用が、里山整備や農山村の活性化に一層求められています。
その里山整備は山林所有者等による集約化活動によるところも大きい面がありますが、2年間にわたり周知も徹底され、集約化作業のできやすい地域は既に実施されてきています。これから進められる、「みんなで支える里山整備事業」や「地域で進める里山集約化整備事業」が、今後どのように進展するかが最も重要な鍵であると考えられます。
【3−5】
「長野県森林づくり県民税」の活用による、「みんなで支える里山整備事業」は計画通り達成できるのか。その見通しと具体的施策について、林務部長にお伺いいたします。
【3−6】
里山整備事業は国の事業と同一性もあり、5年間の中での事業において相似した事業だけでは、達成できない可能性も出てくると、心配されている声もあります。そこで「長野県森林づくり県民税」の用途拡大も図り、より県民税の有効活用により、県民のニーズに応えるべきと考えるが、林務部長にお伺いいたします。
【再質問及び要望】
【*財政的見通し】
財政の見通しは決して楽観できない状況です。細部につきましては同僚議員の一般質問に委ねることとします。
【*県短期大学の現状認識と今後】
県短期大学については、単なる若者の県外流出を防ぐためでは説得力が足りない。検討委員会が議論を始めた現在、少子化の現実を見つめ、拙速な結論を求めず、丁寧に議論を重ねることを強く求めておきます。
【*警察行政について】
交通事故・犯罪件数・検挙率等の成果はそれぞれ改善されているが、これらの成果は警察官一人ひとりの意識の高揚と努力に頼らざるを得ない面があり、おのずと限度があります。また、現在国会で「刑事訴訟法の一部を改正する法律案(可視化法案)」が提出されようとしています。
法案の趣旨とされている、自白の強要などによる冤罪につながる取調べは決してあってはなりませんが、専門家でない素人の私たちから見ても、このような可視化の中での取調べで、検挙率のアップにつながるか疑問であります。これは国会でも活発な議論がなされると思いますが、このように組織再編問題ばかりか警察を取り巻く環境は変わろうとしています。
【2−2−1】
交通事故・犯罪件数・検挙率等の成果の改善が、仮に頂点に近づいたとするならば、今後長野県警察として治安維持等に、どのような新施策を考えていかれるのか。
また、治安維持は他の部局と異なり経費節減を求めるだけでは、目標を達成できません。無駄遣いは厳正に取り扱うべきですが、住民の安心・安全をもとめる「体感治安」を高めるためにも、治安維持等の業務を遂行するうえで、必要とする装備を必要なときに手当てできるようにすることが重要だと考えます。必要とする装備・備品を後回しにすることは、検挙率等の低下にもつながりかねません。
【2−2−2】
人員増を含め信号機など施設の整備の充実図ると共に、捜査活動などの装備の充実をはかるために、どのような手立てをお考えか、本部長にお伺いいたします。
【*農業振興】
「長野県食と農業農村振興計画」で目指す目標である、農業農村総生産額3000億円。次代の農業を担う担い手の確保・育成など、本県の食と農業・農村の振興に向け、将来の目指すべき姿とそれを実現するためにも、「日本の台所を賄っている一大産地」である誇りを忘れてはならないと考えます。
知事において、しっかり国に対し専業農家に向けた支援策等の制度改正に、積極的に提言されることを強く要望しておきます。
4:社会資本整備について
急峻な地形の多い本県は、四季折々私たち県民ばかりでなく、訪れる人々に美しい自然に出会うことにより、心身ともに癒し心を豊かにしてくれます。しかし近年「ゲリラ豪雨」と言う新語が誕生するくらい、その急峻な山々は「ゲリラ豪雨」により小さな河川が土石流となり、農地や住民の生命財産を脅かし、時として大きな災害を引き起こしています。
県ではそれらの災害を最小限に抑えるため、減災対策を積極的に進めておりますことは歓迎するものであります。減災対策は、災害時において危険を顧みず処置を施していただく、建設業界に頼らざるを得ないのが現況でありますが、長引く景気後退のための影響を受けた建設業界では、企業体力の衰退とともに建設機械及び人材も減少し、緊急対応ができにくい環境となっております。
一方、適切な砂防えん堤や災害を未然に防ぐための施策が求められていますが、施策の企画立案はするものの、国の事業見直しなどにより、県が必要とされる事業予算が確保できない状況であります。
【4−1】
減災対策に重点を置かれる村井県政にとっても、このジレンマを感じておられることと推察されますが、本県の社会資本整備状況をどのように認識されておられるのか。また、予算確保に対し新政権との対応はどのようにしていかれるのか。厳しい財政環境の中で、今後どのように施策の展開をされるお考えか、知事のご所見をお伺いいたします。
県議会においては、余りにも低入札の落札が続き、建設業界の衰退が懸念されたことと、緊急時の対応も危惧されるために、長野県議会全会派からなる「長野県議会入札制度研究会」を立ち上げ、県ともすり合わせをする中で、研究結果をまとめ昨年10月に知事に「入札制度の見直しに係る提言」をしました。県も議会の提言を受け、地域に貢献する企業の受注確保を目指した入札試行など、制度の検討を重ね改定されました。これで建設業者の経営基盤の強化も図られ、雇用されている社員の賃金の改善も図られる、更に、県民も安心して生活が営めることができると、研究会に携った委員は喜んだものでありました。
しかし、県が進めてきた浅川ダム工事の入札結果が、県が定める調査基準価格を大きく下回り、落札率が約63%で、予定価格82億1544万円より、約30億円も少ない52億円で落札となりました。県は妥当性を調査した結果、「コスト縮減の理由に合理性がある」と判断され、今定例会に正式契約のための議案が提出されました。
私は現在計画されている浅川ダム本体工事については、県議会の中において一番早く会派の議員とともに、穴あきダムを建設した島根県益田川ダムの現地調査をし、その後の検証においても、その安全性・有効性が認められ、下流側住民の被害防止に適切な事業であると判断しており、異論を挟むつもりはありません。
ただ、県議会・全会派が入った研究会で研究してきた成果が、JVの主たる企業が地元企業ではないとしても、入札制度の改正を望んできた業界自らが、制度をぶち壊し、82億円余の予定価格に対し、30億円も低い価格で落札したことに、入札の透明化を喜ぶ以前に憤りを感じてなりません。事業費の縮減努力も必要ですが、本来、このような低価格の落札は即、不落とするべきと考えます。この低価格で、本当にコスト縮減に合理性があるのか、工事が品質の低下もなく、下請け企業にしわ寄せもなく、最後まで工事を完成させ引渡しができるのか心配であります。
【4−2】
県は、この入札結果に対し「コスト縮減の理由に合理性がある」とするならば、県が積算した予定価格自体に信憑性が疑われます。約30億円も差が出た県の積算の根拠と、合理性の理由を県民にも納得できるよう、具体的に説明をするべきと考えます。
【4−3】
県は、「施工監視委員会(仮称)」を設置し、品質確保のために監視を強化するとされているが、もし、改定された入札制度での基準に合った、正常な落札価格であった場合においても、「施工監視委員会」を設置される予定であったのか。その監視委員会の役割と費用はどのくらいを想定されているのか。
昨日の竹内議員の質問に重なる面がありますが、以上、建設部長にお伺いいたします。
【4−4】
村井知事は、国の見直し対象になっている浅川ダムの、補助金確保に努力をされているところですが、その見通しはどうなっているのか。国の補助金が得られない場合はどう対処するのか。知事のご所見をお伺いいたします。
5:商工行政について
さる1月22日に閣議決定された「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によると、来年度の経済見通しについては、「景気は緩やかに回復していくと見込まれる。」とし、各種経済対策により景気回復の足取りが確実であるとしています。
しかしながら、「先行きのリスクとして、雇用情勢の一層の悪化、デフレ圧力の高まりによる需要低迷、海外景気の下振れ、為替市場の動向等に留意する必要がある。」とし、不安材料も多く慎重な姿勢であるともいえます。
このような国の情勢を踏まえ本県の経済を見渡すと、主力産業であるものづくり産業の生産活動は、輸出関連企業で回復基調があるものの低迷が続き、それに伴う生活者の所得減少による買い控えや低価格志向等、中小企業を取り巻く環境は非常に厳しいと考えます。
県内経済が回復基調に向かうためには、国内や世界の回復が前提とはいえ、県内中小企業の経営基盤安定に直結する「仕事量の確保」が喫緊の重要課題であり、中小企業と行政が一体となった活動が必要であります。
【5−1】
県では、雇用対策、金融対策をはじめ多くの支援策を展開されていますが、中小企業に対する「新たな受注の確保や販路の開拓」について、どのような対策を展開していくお考えか、商工労働部長お伺いします。
リーマンショックに端を発した国際的な経済変動と、それに続く国内での緩やかなデフレ状況が、我が国及び本県の産業に大きな影響を与えています。また、BRICs(ブリックス:経済発展が著しいブラジル・ロシア・インド・中国)をはじめとする新興工業国の台頭は、国際間における競争を激化させています。
一方、2月4日の日銀松本支店は県内経済情勢の総括判断を、「厳しい状況にあるものの、一部に持ち直しの動きがみられる」と発表しています。
この回復の兆しを確かなものにし、本県産業の存立基盤を構築するためには、高度な技術力を活用した、国際競争力の高い研究開発が不可欠であります。しかし、県内中小企業は、これまで培ってきた知識や経験等によって、金属加工やプラスチック成型などは、国内でも秀でた技術を有していますが、周辺技術や研究開発機能に関しては、多くの企業で不足感や不安を抱えているのが実態であります。そこで、これらの技術や研究機能を補完し、競争力の高い技術を開発するために、大学や試験研究機関と連携した研究開発が不可欠と考えます。
幸い、本県にある信州大学は、ナノテクノロジーやファイバーなどで世界有数の技術を有しています。さらに、本年度、国等から採択を受けた産学官共同研究開発施設が、各学部に整備されると聞いています。国の行政刷新会議による「事業仕分け」では、地域科学技術振興・産学官連携事業について、残念ながら「廃止」との結論が出ましたが、しかし、近年、大学も積極的に取り組んでいる産学官連携については、ものづくり産業のみならず、多くの産業分野で地域振興に大きな期待が持て、近視眼的に判断するものではないと考えます。
【5−2】
産学官連携を活用したものづくり産業の振興に関して、県としてどのように取り組もうとしているのか、商工労働部長にお伺いします。
長野県のものづくり産業をさらに飛躍させるためには、次の時代を担っていく、意欲ある優れた技能者を数多く輩出させることが重要です。県では、平成24年の技能五輪全国大会とアビリンピックを長野県に誘致し、積極的に準備に取り組んでいるところです。
長野技能五輪、アビリンピックの長野県開催の効果を上げるためには、いかに多くの選手を長野県から送り出し、かつ優秀な成績を残してもらうかがポイントとなります。そのためには、今から官民挙げて、長野技能五輪、アビリンピックを目指す若い技能者を増やし、上位入賞を果たすことができる技能レベルの向上を図っていくことが必要だと考えます。
【5−3】
この点については、昨年12月に開催された第2回産業振興戦略会議においても指摘されているところですが、県としてどのような対応を取られているのか、また、今後どんな取組みを予定しているのか、知事にお伺いします。
【5−4】
大会開催までの限られた期間の中で、いかに効果的に広報活動を実施していくかが大きな課題であります。この点について、どのようにお考えになり、取り組まれていかれるのか、知事にお伺いします。
商工会及び商工会議所における小規模事業経営支援事業については、県は関係団体と精力的に懇談を重ねられ、平成27年度から新制度への移行に向けて、移行調整期間を設けるなど、見直しの方針を出されたことは評価するところであります。
商工会においても統合・合併を進めてきましたが、本県の地形的に合併もしにくい環境もあり、県内では小規模事業者数100人以下の小規模商工会が依然として11団体あります。商工会連合会としても支援体制の広域化・効率化を図るために、商工会職員の人事権について県連への一元化など、取組みを進めています。しかし、小規模事業者を取り巻く環境は厳しさを増すばかりであり、その小規模事業者を支援する小規模商工会の組織運営も厳しさの極限の状況であります。
【5−5】
厳しい県財政の中で商工会に対する配慮はされていますが、県の見直し方針によりますと、平成27年度からの小規模商工会にとっては、大変厳しいものと予測されます。今後の小規模商工会の支援について、どのようなお考えをもって進められるのか、商工労働部長にお伺いいたします。
6:観光及び環境行政について
我が国を取り巻く社会経済環境は、本格的な人口減少・高齢化社会の到来、(GDPの約1.7倍の)長期債務を抱えた財政など、大変厳しいものがございます。このような中、将来にわたって持続可能な国づくりを進めるためには、長期的展望に立った、人材づくり、技術力の強化などの他に、地域の資源、特に「観光資源」など、地域の優れた資源(リソース)を有効に活用することが重要であり、これによって、地域経済の活性化や国際相互理解の促進を積極的に推進すべきと考えます。
この1月に公表された平成22年度の国の予算概要を見ますと、観光に関する国の予算は、総額で前年度の約2倍と極めて大きな予算を確保するとともに、特に、インバウンド(海外からの誘客)においては、海外からの誘客計画を大幅に前倒し、2019年には、「訪日外国人2500万人」の達成を目標としています。国の観光産業に対する積極的な姿勢と大きな期待を伺うことができます。
さて、本県の状況ですが、長野県は、豊かな自然や文化を背景に、これまでも観光立県として、他県に比べ、観光に関する集積が格段に進められてきており、昭和53年の第1回信州デスティネーションキャンペーン時に作られた、「さわやか信州」のキャッチフレーズのもと、全国でも有数の観光県として、その地位を築いてまいりました。
また、長野県の観光は、産業としても県内でも重要な地位を占めるに至っており、その観光消費額(3241億円:H18)は、本県の基幹産業の一つである農業の農業農村総生産額(2899億円:H17)と肩をならべる、いやそれを上回っている状況です。
さらに、観光産業は、旅館・ホテルなどの宿泊業をはじめ、レストランなどの飲食業、バス・電車などの交通事業、さらには、地域の物産や土産屋さんなど、大変「すその」の広い産業であり、地域に密着した産業として、極めて重要なものとなっています。
このような状況を踏まえ、県は、平成19年に、観光部門を独立の「部」とするとともに、翌年の20年には、「観光立県長野」再興計画を策定するなど、観光産業に対する取り組みを強化してまいり、今年秋には、12年ぶりの大型観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン」が予定されております。
ところが、残念なことに、一昨年秋に始まった経済不況や急激な円高、さらに、昨年の春に発生した新型インフルエンザ問題などの影響により、県内の「観光地利用者数」や「観光消費額」がなかなか伸びない、長期的な減少傾向に歯止めがかからない状況が続いております。確かに、善光寺御開帳などによる一時的な賑わいはあるものの、なかなか思うような結果が出てきていないというのが現状と考えます。
このような状況を考えますと、「観光立県長野」再興計画の目標である、平成24年度までに「観光消費額4000億円以上」、「観光地利用者数1億人以上」とする目標は極めて大変厳しいのではなかと、大変危惧しております。
これからの観光は、自然景観や文化歴史、名所遺跡などを一方的に、マスメディアを使って集客を図る団体旅行的な観光ではなく、観光客の多様な二一ズを的確に掴み、きめ細かくそのニーズに応えるという、個人的な観光にも対応できるような観光に変わっていかないと、なかなか生き残れないのではないかと考えます。
そのためには、観光関係者だけでなく、地域をあげて誘客活動を行う必要があり、地域独自の「おもてなし」の実践活動こそが、訪れる観光客の心を掴むことができ、ひいては、長野県の「観光サービスの満足度」の改善に繋がるのではないでしょうか。
そこで、お伺いします。
【6−1】
長野県における観光産業の「位置づけ」をどのようにお考えになっておられるのか。
【6−2】
また、年間の観光地利用者数1億人の実現に向けた、具体的な対応策と見込みはどのようになっているのか。
【6−3】
次に、顧客満足度38.7%の現状をどのように認識されているのか。また、目標値である50%に向けての具体策はどうなっているのか。
【6−4】
最後に、地域が一丸となって、誘客促進に努力をしているものの、なかなかその衰退に歯止めがかからないスキー場や、温泉地などの観光地に対して、その再生に向けた、県の取組みはどのように進められているのか。
以上、観光部長にお伺いいたします
北極や南極の永久的に解けないとされていた氷が、氷河のように崩れていく様をテレビ等で見るたびに、ますます温暖化が進み地球規模で破壊されていく環境の現況が心配であります。
鳩山総理は2020年までに、90年比で温室効果ガスを25%削減目標にすると発表されました。これまた、非常に高いハードルと言わざるを得ません。
本県の温室効果ガスの削減目標は、その目標年度を「京都議定書」の第1約束期間の、2012年度としています。基準年度は鳩山総理が世界に約束した、京都議定書の基準年度である1990年度と同じであります。その目標値は、県内における温室効果ガスの総排出量を、2012年度までに90年度比6%削減するとして、様々な施策を展開されていますが、県の現状認識をお伺いいたします。
【6−5】
現状での達成率はどうなっているか。また、目標年度までに目標達成は可能となるのか。そのためには、県は何を重点に対策を講じていこうとしているのか。
【6−6】
地球温暖化対策に様々な施策を講じているところですが、地球温暖化対策に即応した産業の創造が求められていますが、本県はどう育成・支援をしていこうとしているのか。この2点は環境部長にお伺いいたします。
【6−7】
鳩山総理が示した90年比、20年度達成を25%とした目標値をどう捉えているのか。目標達成する場合、本県への影響はどのように考えているのか。
村井知事にご所見をお伺いいたします。
【再質問及び要望】
【*浅川ダムの積算の根拠と合理性の理由】
納得はしかねますが、下請け関連企業に影響が及ばないようにすること、品質の成果を低下させないこと、今後の事業を進める上にも積算基準や最低価格基準等を、もう一度見直すべきことを強く指摘しておきます。
【*産学官連携を活用した、ものづくり産業の振興】
本県の次世代産業育成と、将来の産業振興に、大きな期待が寄せられているだけに、積極的に取り組んでいただきたいと思います
【*観光行政】
観光部も多彩なプランを精力的に推進されてきましたが、4年目を迎え、いよいよ成果が求められる時でもありますので、それぞれの目標に向かって、一層の取り組みを期待します。
7:健康長寿県No.1を維持する衛生行政について
この4月から衛生部と社会部を統合再編し、各分野の連携を強め、効果的な施策を展開していくこととして、健康福祉部が発足となります。既に市町村においては、健康と福祉部門の窓口は一体化しており、県と市町村との事務等の整合性も図られ、より円滑に連携できるものと思います。しかし、理想とする健康福祉部も巨大な組織となり、その組織運営に気がかりな面もあります。
【7−1】
健康福祉部発足にあたり、実効性ある運営に繋げるためには、何が必要と考えるか。知事のご所見をお伺いいたします。
【7−2】
又、埼玉県、大阪府、高知県などでは一旦統合した部を組織が巨大すぎ問題ありと、再分割しています。
これ等を勘案して「健康福祉部」としてスタートする必要性と期待される効果について改めて総務部長にお伺い致します。
健康長寿県No.1を誇ってきた本県も、新潟県にその座を脅かされています。中期総合計画に掲げた目標の一つである、健康長寿県No.1を堅持のためには、本県の歯科保健衛生の充実も必要不可欠な施策の一つと考えます。県議会では、長野県歯科保健条例(仮称)制定に向け、長野県歯科保健条例(仮称)検討調査会を立ち上げ、理事者側のご理解をいただく中で、現在衛生部・社会部・教育委員会等の関係部署の担当課長と議員側委員と検討をしているところであります。また、議会から専門職の雇用に対する要望に応えていただき、昨年から歯科医師が週一度、衛生部所属で勤務されていますが、「歯及び口腔」の健康管理が健康長寿にとって影響が大きいことが実証されている昨今、より専門性を持った施策推進が求められているところでもあります。
【7−3】
歯科医師及び歯科衛生士の通年雇用するべきと考えます。今後、議員を始め知事及び関係者の理解が得られ条例が制定された場合、専門的知識をもって施策の企画推進を図っていくためにも、一日も早い雇用が望まれるが、衛生部長のお考えをお伺いたします。
本県では県内に4ブロックに中核的拠点病院があり、地域医療の推進に向け、その役目を十分果たされていると考えます。
昨年、県が「長野県がん対策推進アクションプラン」を作成するにあたり県議会として、県議会がん対策推進議員連盟が中心となり、地域のがん医療や予防推進に携っている皆さんと懇談を重ねてきました。
その際に、佐久地域の中核拠点病院として地域医療を専門に担っている、佐久総合病院のある医師は、「がん拠点病院といえども今回の指針要件を全てクリアするにはハードルが高すぎる。当院は佐久の二次医療圏での責任はもてるが、他の地域(医療圏)では拠点病院と言えども非常に厳しく、結果として全県的にはクリアできない病院もあるだろう。マンパワー的に厳しい現状では、東信全域では他の医療機関で少しでも診療・治療などやってもらえれば助かる。」と、拠点病院だけで二次医療圏をカバーすることの厳しさを語っておられました。
更に、「本県は地理的・地形的要件が特殊なため、単なる医療機関の主体的な連携だけでは無理がある。拠点病院だけがハードやソフトを完備しても、他の病院も一緒に行わなければ目標を達成できない。長野県のがん死亡率は全国的に低いが、そのデータベースがないと言うことは非常に残念である。地域がん登録の早急な整備により、本県から全国に発信できる貴重なデータ収集が必要だ」とも語られていました。
これらは全県的に言えることで、他の中核拠点病院が抱えるエリアも同様な実態であります。
【7−4】
医療の地域間格差を生じさせないためにも、二次医療圏内に行政と医療機関が、将来を見据えた「医療の機能分担と連携」に向けて、協議する場の設定を、県が主導的役割を果たすべきと考えるがいかがか。
【7−5】
また、広域行政圏においても三次・二次・一次と、それぞれの機関が、十分機能を果たせるような、連携システムの確立が必要と考えるが、以上、衛生部長にお伺いいたします。
併せてがん対策についても、お伺いいたします。
本県におけるがんによる死亡者数は、平成18年・5707人、19年・6043人・20年・6136人と増加傾向にあり、高齢化や生活習慣の変化により、今後も増え続けるものと予測されております。がんは、誰もが罹る可能性のある、最も身近な病気である一方、医療の進歩により、決して「死にいたる病」ではなくなっていることも事実であります。がん対策は、予防・検診・医療と広い範囲に及び、医療関係者ばかりでなく、多くの県民を巻き込んで進めていくことが求められています。
【7−6】
そこで、来年度のがん対策について、一歩踏み出すための新たな施策は何か衛生部長にお伺いいたします。
日本国民の平均寿命以前に、死に至らしめたり、生活の質を低下させる重要な原因となっている、がん・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病などの病気の発生には、食習慣・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く係っていると言われており、その生活習慣の改善によって、これらの疾病の発生をある程度未然に防ぐことが可能であるとされています。
どのような食事をどの程度すればよいのか、飲酒はどの程度が適量かなど、日本人についてのデータは十分とは言えないとして、10年以上にわたり厚生労働省の研究班による「多目的コホート研究」として追跡調査がされています。
長期追跡調査により、どのような生活習慣を持つ人が、がん・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病などになりやすいか、あるいは、なりにくいのかを、明らかにしようとするものであります。その地域住民コホートとして、本県の佐久保健所が協力し、佐久地域の南佐久6町村が対象地域として、その研究に協力しているところです。コホートとは、追跡を行っていく特定集団を意味するそうであります。
【7−7】
健康に係る調査は一日にしてデータ収集はできません。がん対策に限らず、あらゆる健康分野でのデータを収集することで、健康長寿県としての次なる施策が打てるものと考えますが、その取り組みについて衛生部長にお伺いいたします。
8:高齢化時代の福祉行政について
「少子高齢化」は多くの課題を抱えているものの、高齢者も障害者も、障害の有無や年齢に関わらず、住み慣れた地域で活き活きと生活できることが、当然の社会として県民も理解され、県及び市町村もそれらの社会づくりに施策を講じられています。福祉政策はやはり国によって制度づくりをし、誰もが等しくどこにいても、その福祉を享受できなければならないと考えます。本県においても、国の施策に加え「いきいき暮せる安全・安心な社会づくり」に向けて、施策展開されているところであります。
その中で県はかつて、県単補助事業として11区分・14事業を設置し、補助交付金事業を展開してきました。しかし、制度を細分しすぎたためか活用しにくい状況もあり、不要額が毎年度1億円を超えていました。そのことが、県財政が厳しい中で事業の縮減も指摘されてきたことを反省し、これらの補助金を統合し、市町村が実情に応じて補助金を有効に活用できる仕組みを創設し、4区分14事業として、21年度から新たに「地域福祉総合助成金交付事業」として制度を改め実施してきました。
【8−1】
この交付金事業は当初の目的通り、市町村で有効活用ができたのか。その執行率はどうなっているのか。また、今後に向けてどのような施策を展開させていくお考えか、社会部長にお伺いいたします。
国においては、これまで経済対策の一環として、様々な交付金を創設し、県ではそれを原始として基金を造成し、各種事業を実施しています。
福祉関係でも、子どもを安心して育てることができるような体制整備を行うための、「安心こども基金」、介護基盤の緊急整備や施設の耐震化等を進めるための基金、介護職員の待遇改善を図るための基金などが造成されています。これらの事業には、社会福祉の基盤整備や安全性の向上などという点から、歓迎できるものでありますが、本県の実情に対し不都合な面もあり、地方の実情をしっかり把握されたのか疑問に感じるものもあります。
例えば、「安心子ども基金事業」のうち、提案された県の当初予算で最も予算金額の多い「保育所等整備事業」は、民間保育所等の施設整備に要する経費を助成ということですが、本県では公立・私立を併せて600箇所の保育所のうち、私立は113箇所であります。確かに私立保育所においては、施設整備に大きく貢献できるものと考えますが、本県においては80%を上回る公立保育所も、施設整備を求める声も多いのですが、この制度を活用できないのが実態です。
また、今回の国の2次補正で事業の拡大が図られた、仕事や住居を失った方への支援策としての「生活困窮者総合支援事業」においても、「公営住宅の間仕切り設備の工事費補助」などは、公営住宅の空き家に間仕切り工事をするものでありまますが、本県では子育てや高齢者との同居などのために、居室を広げてきた経緯があり、しかも、現在、入居可能な公営住宅でおよそ300戸が空き住宅となっています。都会と違って地方では、空き住宅をそのまま提供するほうが現実的であります。また、県内の公営住宅では、入居に当たって水周りや畳など、老朽化した設備の改修が求められる場合も多くあります。
【8−2】
このように国の経済対策関連の事業のうち、地方の実情を十分に把握せず立法されたと、思わざるを得ないようなものについては、その問題点や改善点を国に伝え、本県の実態に合わせた支援策が講じられるよう、制度の見直しを求めていくべきと思うが、そのお考えがあるか社会部長にお伺いいたします。
9:少子化時代を迎えた、長野県教育行政について
県教育委員会では「確かな学力と豊かな人間性・社会性をはぐくむ学校教育の充実」を主要施策のテーマに掲げ、現状と課題を認識された上で、積極的に県民へ説明努力をし、地域住民の理解と協力を得ながら、施策の展開をしてこられていることは評価するものであります。少子化に伴い生徒の減少もさることながら、魅力と活力ある高校づくり、高校教育の振興を図るとして、高校再編に向けて活発な議論を展開されてきました。
【9−1】
21年6月に高校再編計画が完成し、その計画に従って、各地域の当該する高校周辺で準備が進められています。その進捗状況どうなっているのか。
【9−2】
中高一貫校の設置について、屋代高校が東北信では手を挙げ、それに向けて準備が進められていますが、その現況はどうなっているのか。
また、中南信に一校という計画について、平成22年度中に目途をつけたいとの県教育委員会の方向性だが、去る2月の上旬に開催された諏訪地区中等教育懇談会が、旧第7通学区に、中高一貫校を期待するとの表明をされました。ついては、今後の整備に当たっての理念、実施計画、合意形成の現状と今後の予定について、以上教育長にお伺いいたします。
昨年、本県が不登校の全国ワースト1と、不名誉とも言える調査結果が発表され、県民の動揺は計り知れないものがありました。その数字から、直近の数字は変っているようでありますが、教室に行きたくても行けない子どもたちに、いかに学力、体力、道徳、社会性、を身に付けるようにしてあげられるかが課題であります。また、不登校がきっかけとなり、最終的に社会に溶け込めず、職につけない環境をつくってしまっています。更に、そのことにより将来、生活保護受給者などに至らないように、早期に解決する必要があります。
【9−3】
平成22年度においては、不登校問題を重点的に施策が取り組むとされていますが、学校に行けない子供だけの問題でなく、当事者児童をとりまく生徒児童の集団を広い視野で見守り、支援できる体制が欠かせないのではないかと考えます。どんな人々と、どのように対応しようとしてされているのか。教育長にお伺いいたします。
県政・世論調査の結果によると、「学校教育で優先的に取り組むべきこと」のトップに、「心の教育の推進」となっています。心の教育に対しても施策を講じていただいているところですが、今、一番問われている課題は、先生の考え方や人間性で、「先生と生徒」としてではなく、「人と人」として学びとれることができることが生徒にとって幸せなのではないでしょうか。
それは、日々の生活から得るものもありますが、先生が先生らしく過ごせるような学校環境も必要ではないかと考えられます。
【9−4】
これからの社会で最も必要とされている「心の教育」「道徳教育」について、教師こそが心の余裕を持つことができる教育環境づくりなども含め、どのように考え取り組まれていくのか。教育委員長にお伺いいたします。
県政・世論調査の結果の二番目に「学力の向上」を望んでいます。秋田県は学力日本一でありますが、それは決して突出した学力の子供達を育てているのではありません。出来ない子供達を少なくする、即ち底上げをすることで生み出した結果であるとお聞きしています。
【9−5】
長野県では、どのような教育方針により、どんな教育を目指すのか。学力の低い子供達へのサポートも必要と同時に、学力の高い子ども達が、活き活きと勉強できる環境も必要なのではないでしょうか。学力向上についてのお考えを教育委員長にお伺いします。
県教育委員会では「確かな学力と豊かな人間性・社会性をはぐくむ学校教育の充実」を主要施策のテーマに掲げ、現状と課題を認識された上で、積極的に県民へ説明努力をし、地域住民の理解と協力を得ながら、施策の展開をしてこられていることは評価するものであります。少子化に伴い生徒の減少もさることながら、魅力と活力ある高校づくり、高校教育の振興を図るとして、高校再編に向けて活発な議論を展開されてきました。
【再質問及び要望】
【*衛生行政】
将来にわたり県民の健康を守り、長寿県No.1を堅持するためにも、的確なデータ収集を、積極的に推進されることを求めておきます。
【*福祉行政】
「地域福祉総合助成金交付事業」については、市町村が一層活用し安事業となるよう、工夫と改善を期待します。
【*教育の振興】
学力問題、いじめ問題、教師の力量などを自らの教育現場の経験を通して著作された「藤本三郎教育論集」を、教師やPTAを中心とした親たちも、信州教育の伝統と将来を探るためにも教材として学び、本県の教育を見直すことも必要かと考えます。教育長に答弁を求める予定でしたが、要望にとどめさせていただきますが、この要望をしっかり受け止めていただき、信州教育の復活を期待します。
【知事の政治姿勢について】
本日の代表質問は、それぞれご丁寧なご答弁をいただきましたが、提案された当初予算は景気の回復に最重点をおかれ、県民の生活安定と将来の税収確保に意が注がれていることが強く感じ取れました。
質問を通じて答弁されている村井知事が、長野県のこの現況から、早く元気を取り戻させたいと言う、意気込みのようなオーラを感じ取れました。それがまさに、通年・積極的予算に知事の思いが伺え知ることができました。
そこで、最後に村井知事は第1期村井県政の自らの検証のもとで、本県の厳しい現状打破のために提案された、この通年・積極的予算を、第2期村井県政として、引き続き最後まで責任もって執行されるおつもりがあるのか。私からも率直なお考えをお伺い致し、代表質問を終わります。
[2010.02.24 更新]

