• 長野県議会で発言している高見沢敏光

  • 定例会・代表質問・一般質問 - 長野県議会議員 高見沢敏光

  • 長野県議会で高見沢敏光がおこなった定例会・代表質問・一般質問の内容を掲載。


平成22年11月定例会・一般質問

1:歯科保健衛生推進の考え方について

1−1
 阿部県政となり、初めて来年度の当初予算編成に向けて、県民の将来の指標となる中期総合計画に基づいた、県民のための施策がどのように反映されているかが、気になるところであります。すべてをお聞きするわけには参りませんが、とりわけ県民の健康に対する考え方と、長野県中期総合計画について、この際、質しておきたいと思います。

 最初に、昨日西沢県議が質問されましたが、歯科保健推進の考え方についてお尋ねいたします。9月定例会で「歯及び口腔の健康づくりに関する施策を総合的に推進することにより、県民の健康の保持増進を図り、もって健康長寿県の確立に寄与することを目的とする」として、歯科保健推進条例が全会一致で可決されました。これは歯及び口腔の健康づくりが、県民の心身全体の健康の保持増進に重要な役割を果たしていることを明確にしています。そのために、生涯を通じた歯科保健対策を推進することで、県民が心身ともに健康な生活を送ることができることを目指し、全国有数の健康長寿県である長野県の地位を、将来に渡って継承することを目的としているものであります。

 条例では、県民の歯及び口腔の健康づくりの推進に関する総合的かつ計画的な施策を策定、及び実施する責務を有する。と県の責務を明確にしています。健康長寿県の地位を堅持していくと共に、何よりも県民の健康保持増進を図れる手段でもあるために、一日も早く計画的な施策を策定するための作業に取り組むことが求められています。

 この条例の策定に当たって、調査研究の段階から関係部局からも参画していただき、現状認識、課題・問題点など執行側と議会が共有を図りながら、熱心に調査を重ね議論してきました。条例が施行した現在、それらの調査・議論を踏まえ、関係部局では既に来年度に向けて推進計画等準備に入られていることと思います。長野県中期総合計画にも掲げてあるように、県民が心身ともに健康な生活を送ることができることを目指すとするならば、今から計画を策定していく必要があります。

1−1−1
 来年度に向けて歯科専門職員の配置の予定をされていると、昨日の西沢県議の質問に答えておりますが、どのような専門職員を、どの部署に、どのような役割を持たせて、どのような雇用条件で、何名を配置するお考えか、健康福祉部長にお尋ねいたします。

1−1−2
 条例では、推進計画を策定するにあたり、保健、医療、福祉、教育に関する者の役割も定め、相互の活動において連携協力を図るよう務めるものと定めています。各関係部局では来年度に向けて、どのような準備をされているのか、健康・医療・福祉に関する施策と各部局との連携については健康福祉部長、教育に関する施策については教育長に、お伺いいたします。

1−1−3
 私は以前の一般質問において、質問したこともありますが、健康な歯を保持増進するためには、入学前の乳幼児から小学生及び中学生までの間に、フッ化物塗布及びフッ化物洗口を実施することが、最も有効であるとされています。改めて現在、どのような見識をもたれておられるのか、健康福祉部長及び教育長にお伺いいたします。。

1−1−4
 また、寝たきりの高齢者や重度身障者などの健康な口腔管理をするには、出張しての口腔ケアが有効であり、誤嚥性肺炎を予防できるとされていますが、どのような見識か、併せて健康福祉部長にお伺いいたします。

1−1−5
 これらの事業を進めていく上には、施策の内容にも異なりますが、今後実施事業体の市町村に対する財政的な支援も必要となる場合も考えられます。来年度に向けて財政面の支援について知事はどのようなご見解か、お伺いいたします。

1−2
 健康福祉部長、教育長の答弁は、条例作成段階で課題点を共有してきただけに、共に理解度と施策推進の意欲は見られましたが、ご答弁いただいた事項について、推進計画に反映させていただけるものと期待します。更に、理解を深めていただくために、他県の例など紹介してみたいと思います。

 都道府県別の12歳児の一人平均むし歯本数について、毎年、学校保健統計調査が行われています。その調査結果を見ると、少ないほうから1位は連続して新潟県がトップであり12歳児の平均むし歯本数も18年度において全国平均で1.71本に対し、新潟県は1本でありました。21年度で全国平均1.4本に対し0.8本と着実に減少しています。新潟県の中でフッ化物洗口を実施している実施校だけの平均むし歯数は、0.66と圧倒的に少ない調査結果となっています。
長野県では18・19年度は、むし歯が少ないほうから4位でありましたが、20年度は10位、21年度は8位と後退しています。平均むし歯数も、18年度で1.3本が21年度では1.1と減少していますが、他県の状況から見ると伸び悩んでいる状況です。

 例えば、佐賀県では、18年度29位であったのが、21年度には16位となっています。平均むし歯本数も18年度2.0本であったのが、21年度には1.2本と大幅に減少しています。
20年度の調査結果では、3歳のときに一人平均むし歯数が全国平均の2倍で、全国ワースト1であった子どもたちが、12歳になって、永久歯の一人平均むし歯数が全国平均(1.54本)を、1.4本と下回ることになるなど、大きな改善が見られています。

 その要因は、平成11年度から3年計画で「乳幼児歯科保健緊急対策事業」を実施されたことによります。この事業は、市町村歯科保健支援事業として、歯科衛生士を市町村に派遣し専門的・技術的指導を行い、また、市町村乳幼児う蝕予防事業として、市町村が実施するフッ化物塗布事業、保育所・幼稚園でのフッ化物洗口事業、歯磨き等普及啓発事業に対し、費用の三分の二を補助するなど、県をあげて徹底してむし歯予防に力を入れたことが要因であるといわれております。佐賀県では、むし歯ワ-ストワンの解消に向けて、集中的に県が率先して事業を取組む施策に、この補助金制度等によって県のむし歯予防に対する姿勢を明確にしたことで、予想以上の取組みになり成果があったと、佐賀県伊万里保健福祉事務所長は、今年札幌で開催された「むし歯予防全国大会」において、これらの事業の成果を報告されておられます。

 このように、佐賀県は複数の歯科専門職を雇用し教育委員会と連携して、しっかりフッ化物洗口などのむし歯予防策を説明し、補助金制度を設置して事業にあたり、むし歯を学校だけの問題でなく、地域保健の問題として位置づけ、保育所・幼稚園、小学校まで一貫した保健サイドの補助金事業として市町村を支援したことが成果につながっています。
島根県でも県庁内や保健所などに歯科衛生士を設置し、技術的な支援活動をして成果を上げてきているなど、全国的に歯科専門職を複数雇用して事業を展開して、実績を上げきています。

 本県の平成22年3月時点で、保育所・幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校などの施設での、集団応用フッ化物洗口をした施設数は147施設で、24,610人が実施しています。今集中的に集団応用フッ化物洗口を実施すれば、既に12歳児における一人平均むし歯本数が、1本を切っている新潟・愛知・京都・岡山・広島県に次ぐことも可能となります。そのことによって、80歳になっても自分の歯が20本保つことができるなど、県民の健康と年を重ねての楽しい生活づくりに大きく寄与されると共に、県が進めている8020運動の趣旨に、まさに整合するものと考えます。

1−2−1
 (佐賀県では、最初に取り組んだときは、年度途中で補正予算を組んで実施され、成果を上げられたと報告されています。)
西沢県議の質問に対し、来年度中に作成を予定していると知事は答弁されましたが、本県では、歯科保健推進計画を今から準備し、来年度、早々には即計画を作成し、少なくとも23年度の年度途中においても、佐賀県が実施した「乳幼児歯科保健緊急対策事業」のように、市町村が行う歯科保健事業に積極的に支援を行うべきと思います。
そのためにも、来年度の予算に反映できるように今から準備していくべきと思うが、重ねて健康福祉部長の考えを伺いします。

1−2−2
 阿部知事は、歯科保健推進と対策について、前向きな理解を示しておられますが、長寿県・長野として県民の健康保持推進の効果をより上げるため、他県の良き例を参考にし、数年は集中して積極的に施策を展開していくべきと思うが、知事の見解をお伺いします。

1−3
 事業の選択と集中を図り効率的な行政運営が求められています。県民の健康を保持増進のために、歯科専門職として歯科医師および歯科衛生士を、時に任期付職員として複数採用し、短期間で計画を立て、速やかに有効事業を市町村の協力を得ながら実践していくべきと考えます。そのことによって長野県中期総合計画のテーマの一つであります、「健康長寿№1確立への挑戦」の目標と狙いに沿って、県民の健康を保持推進が図られ、医療費の削減にもつながると考えます。そのために来年度の予算対応に、歯科保健対策に向けて十分考慮するべきことを強く求めておきます。

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2:長野県中期総合計画について

2−1
 長野県中期総合計画の計画策定の趣旨に、急速に進行する少子高齢化と人口減少時代の到来により、県民の生活に関わりの深い様々な分野で数多くの課題に直面していることを冒頭に触れています。本県の平成の大合併の結果は、小規模ながらも自立をめざすと判断をされた町村が多く、南佐久郡を含め県下の小規模町村にとっても人口減少問題は深刻であります。阿部知事も基本政策集の「信州独自の自治の検討」の中で、小規模町村問題を課題として挙げておられますが、この中期総合計画は、少子高齢化と人口減少時代を受け止め、この課題を中心に捉え策定されています。

 長野県を取り巻く時代の潮流としても、最初に「少子高齢化・人口減少の加速」として、これらの進行に伴って、経済成長や地域活力の低下、医療・福祉・教育など様々な分野への影響が懸念され、大都市圏と地方との地域間格差の問題も指摘されるなど、これらを前提とした社会経済システムの見直しや活性化などの対応が急務となっている。と本県の現状認識を示めしています。

 その上で、グローバル化の進展、情報通信技術の発達、安全安心や環境に対する意識の高まり、地方分権の進展などの本県を取り巻く時代の潮流を原点として、「活力と安心、人・暮らし・自然が輝く信州」を基本目標に、長野県づくりの方向を5つのめざす姿と、5つの施策の柱と、44の主要施策をもって中期総合計画が構成されています。まさに、県政運営の基本となる総合計画であると位置づけているものであります。

2−1−1
 知事はまず現行の長野県中期総合計画について、服部議員の質問で達成目標等の取り組みについて、お応えがありましたが、改めて、どのようなご認識でおられるのか。また、見直しをしようとする課題について、どのような見解をもたれているのか、お伺いいたします。

2−2
 知事は提案説明および昨日の答弁で、リーマンショック後の急激な経済環境の変化や、国政における政権交代等をあげて、県政を取り巻く環境の変化が大きく異なったために、中期総合計画の見直しをするとし、「新たな総合5ヵ年計画策定事業費」を計上したと説明されました。現行の中期総合計画の主要施策を見ても、経済成長率や一人当たりの県民所得などは、リーマンショックの影響は見られる面もありますが、その目標とする数値や、他の主要施策の目指す理念や方向、達成目標等については見直しする必要性があるのでしょうか。見直しをするより、むしろ、現行の計画目標に向かってより力を注いでいくことのほうが、県民の皆さんの利益につながり、知事が求めようとしている、県民の皆さんの確かな暮らしを守ることができるものと考えます。

2−2−1
 県政を取り巻く環境の変化は、策定時とは異なっていることは一応の理解はできますが、現行の総合計画にどのような影響があるとされているのか、また、現行の中期総合計画の見直しをしなければならない根本的な理由は何か、知事にお伺いいたします。

2−2−2
 更に、現行の中期総合計画の、めざす姿、挑戦プロジェクトとしての7つのテーマ、44の主要施策を持って計画が進められていますが、どの施策にどのような問題があるとするのか、知事は具体的な施策名等をあげるなど、議会と県民の皆さんに明らかに公表すべきと考えるが、知事のお考えを伺います。

2−2−3
 現行の中期総合計画は24年度までの計画で、各々目標設定がされてきています。「新たな総合5ヵ年計画策定事業費」は、現在の計画を一年前倒しして、平成24年度を初年度とする「新総合計画の策定」に着手するとしています。現行の中期総合計画の数値目標等の成果などの総括を当然行うべきと考えますが、いつ頃総括を実施されるのか、知事にお伺いいたします。

2−3
 2年後に現行の中期総合計画の期限を迎え、新たな5カ年計画を準備しようとすることに、一定の理解はできます。ただ、知事が計画の見直しをしようとする根本的な理由と、現行の中期総合計画の見直し項目等が不明確な現状で、何のために前倒しまでして見直しをするのか理解ができません。まずは知事ご自身が「長野県の将来ビジョンとその実現のための具体的な政策の考え」について、議会や県民の皆さんに明らかにしていく必要があると考えます。
私は、今まで実施してきた施策が、計画した数値目標に達成したか、達成できなかったか、この事業での進め方でよかったのか、など成果を十分検証し、現在の中期総合計画の総括をした上で、その実績と検証等により、行政の継続性を図りながら、次の新中期総合計画に着手しても遅くはないと考えます。

 更に検討すべきことは、現行の中期総合計画を進めるための「挑戦プロジェクト」は、中・長期的な視点に立った目標を掲げて、挑戦していく重要な事項であると捉え、5年の計画期間を超えても、着実に取組みを進めていかなければならない、としています。更に具体的な推進に際しては、社会経済情勢や財政状況、個々のテーマを取り巻く状況の変化に応じて、実施の内容や方法等について常に弾力的に対応して行く必要があると、この中期総合計画を進めるにあたり、取り組む姿勢を明確に掲げています。

2−3−1
 現行の中期総合計画の取組みの考え方に基づき、柔軟に対応していくことで、改めて新たな総合計画を策定しなくても対応ができると考えるが、いかがでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。

2−4
 長野県中期総合計画は、「長野県基本計画の議決等に関する条例」に基づき、「長野県議会中期総合計画研究会」等において計画策定状況について随時説明を受け、県議会や研究会も計画策定段階から県民から直接選挙で選出された、二元代表性の一方である県議会議員として、県民の意見をお聞きし、その意見を随所に反映させながら、研究会が取りまとめた計画案を当時の村井知事に申し入れをし、その申し入れた計画案を重視したものとなっています。

 この条例の目的の解釈は、県の計画の決定に当たって、県の執行機関と議決機関が共通の認識のもとで定め、その進捗については、政策評価を行うことにより、明らかにしながら、県民にとり透明性の高い県政運営を進めることが重要であるという認識に立っています。阿部知事が示した基本政策集の中に掲げられている、「政策を進める上での基本姿勢」の「県民の皆さんとの情報共有化」などに、合致するものと思われます。

 「長野県基本計画の議決等に関する条例」の第3条では、「県行政の各分野において基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するものを策定したときは、実施方針・実施機関・主要な目標などの事項を、議会に報告しなければならない」としています。また、第4条では、「知事等は、基本計画の策定又は変更をしようとするときは、あらかじめ、その案の概要を議会に報告するとともに、一般に公表し、県民等の意見が反映されるよう必要な措置を講じなければならない。」とされています。

2−4−1
 知事は公約等を少しでも早く実現させるとするならば、「長野県基本計画の議決等に関する条例」の第4条に基づき、知事の考えている公約、いわゆる基本計画の変更しようとする概要を議会に報告し、その手続きに沿って知事の公約を、現行の中期総合計画に反映させることによって、十分果たすことができると思われるが。改めて、知事のご見解を伺います。

2−5
 知事が公約としてきたことを具現化しようとすることは、理解するところでありますが、 県と県議会と共に本県の将来ビジョンとして作成してきた、現行の「長野県中期総合計画」の総括を曖昧の形のままで、単なる自分の公約の実現のためだけに、現行計画を前倒して新たに策定することは、いかがなものでしょうか。また、現行の中期総合計画を柱に、県民の皆さんの福祉向上のために、様々な施策を立ち上げ真剣に取り組まれている県職員が、県民のためにめざす方向に急ブレーキをかけられ、労力と時間と費用をかけ、新しい作業に携らなければならない県職員のエネルギーこそ、無駄なことではないでしょうか。事業仕分けをして無駄をなくそうとする知事のお考えと逆行することになりませんか。

 知事は基本政策集の中で、「私は県民主権を実効性あるものとするため、長野県と言う行政組織を皆さんと共に刷新します。透明性が高く、現場・県民の目線に立ち、未来志向で、成果を重視し、問題を解決しようとする人達と協力し合う、賢く頼れる地方政府として再生するのです。」と掲げています。まさに、問題を解決しようとする、協力し合う人達とは、県職員であり県議会議員であり、市町村長ではないでしょうか。

 知事が言われているように、「地方行政のプロフェッショナルとしての『技』を持って、このマニフェストの実現に邁進します」といわれているように、もっとご自身が透明性を高め、現行の中期総合計画に、ご自分の公約を加えられていく政治手法こそが、継続性ある行政を進めながら、財政難の状況の中で無駄を省く、賢い県政運営であろうと考えます。そのことが、まさに知事が求める、地方行政のプロフェッショナルとしての『技』ではないのでしょうか。

 拙速で、強引な施策の見直しは避けるべきと考えます。事業仕分けと共に単なるパフォーマンスと思われるような県政運営の手法は、県民の皆さんのサイドに立っても歓迎できるものでないと考えます。

 むしろ、知事の公約と中期総合計画の整合性などの事業仕分けを、知事部局で早急に行い、現行の中期総合計画の変更で対応し、議会とのコミュニケーションをより高めていくことが、県民に約束してきた公約と施策を実現するために、より早道であると考えます。

 阿部知事は中期総合計画の見直しについても、計画が策定された経緯を十分把握され、目標とした5年の実施期間における成果の総括もしないで、県の基本的な方針が大きく変ることは、県民にとっても、また、産業経済などあらゆる分野で、進めてきた方向性や指針を失いマイナスとなります。

 私は今回提出された「新たな総合5ヵ年計画策定事業費」を撤回し、庁内でしっかり議論を深めて、早めに議会に知事のめざす将来ビジョンと政策について、具体的な考えを示し、そのうえで来年度の当初予算で、阿部知事の公約とする施策も含めて、現行の中期総合計画の変更対応で行うべきことで、十分可能であることを強く申し上げて質問を終わります。

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